貯蓄額や年収で「終の棲家」が決まる時代の選択肢

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貯蓄額や年収で「終の棲家」が決まる時代の選択肢

 

生まれる日も死ぬ日も選べない。
それが人間の宿命。

でも、「死ぬ」その日までの「生きる場所」「終の棲家」を選べるのだとしたら、せめてそこぐらいは選びたい。
しかし先立つものはいつも「お金」。

年収や貯蓄で「終の棲家」の選択肢も当然変わってくる。
漠然とした不安を抱き続けるより、しっかりした数字としての現実を見ることで改善できる今や未来もあるかもしれない。

『週刊朝日』3月2日号の「年収・貯蓄で変わる『死に方』格差」記事が興味深くためになりそうだったのでご紹介致します。
あなたの人生のどこかで、役に立つことがあるかもしれません。

突然死の恐怖と
長生きの恐怖、どちらも恐怖となる現代

バイプレーヤーとして大活躍中だった俳優、大杉漣さん(66)が先日急死してしまいました。急性心不全ということでしたが、人の命の儚さが「これでもか」というほどに身にしみる訃報として今後さまざまな場面で思い出されることでしょう。



身辺整理をする時間もなく、愛する人間に看取られる余裕もない「突然死」は怖い。けれども、人生80年時代を遥かに超え、心身が弱っていくばかり、財布の中身も心細くなるばかりなのに「先行き」が見えないというのも別の恐怖がつきまとう。

人間というのは不可解で複雑な生き物ですね。

長生きだからといって心の底から喜べる人はほんのひと握り。何をするにも先立つものは「お金」。ある程度の環境や幸福はお金によって買うことができるというのも、厳然たる事実。

いずれ訪れる配偶者との別れや介護。
最期の場所をどこで迎えるか。

自宅なのか、施設なのか、本当に悩ましい問題が誰の未来にもあることだけは確かです。



貯蓄額別にみた「終の棲家」の選択肢

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
 〜500万円 在宅の場合

特徴・メリット&デメリット

住み慣れた自宅で暮らせるが、受けられる介護サービスに制限がある。自宅の状況によってはバリアフリーなどの改修費用が必要。介護を担う家族の負担が重くなり、子どもが介護離職を迫られるケースもある。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約5千円(要支援1)〜約3万6千円⑤

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
〜500万円 介護老人保健施設(老健)【多床室型】の場合

特徴・メリット&デメリット

退院後すぐ自宅に戻れない人向けに、リハビリをして在宅復帰をめざす施設。病状が安定し、入院治療の必要がないことが入居条件。原則3〜6ヶ月の入居だが、長期入居の人もいる。数人の相部屋タイプ。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約7万7千円①〜約8万3千円⑤

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
〜500万円 特別養護老人ホーム(特養)【多床室型】の場合

特徴・メリット&デメリット

24時間介護や生活支援、機能訓練、医療サービスなどを受けられる。安価に入居できるが、都市部を中心に数が足りず、約36万人が入居待ち。新規入居者は原則として要介護度3以上の人に限定。自治体や社会福祉法人が運営。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約8万7千円③〜約9万1千円⑤

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
600万円〜 特別養護老人ホーム(特養)【ユニット型】の場合

特徴・メリット&デメリット

24時間介護や生活支援、機能訓練、医療サービスなどを受けられる。安価に入居できるが、都市部を中心に数が足りず、約36万人が入居待ち。新規入居者は原則として要介護度3以上の人に限定。共有スペースを併設する個室タイプ。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約12万3千円③〜約12万7千円⑤

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
1000万円〜 介護付きケアハウス(軽費老人ホーム)の場合

特徴・メリット&デメリット

身寄りのない人や独立した生活が難しい人らが対象。介護スタッフが常駐し、安価に介護や生活支援のサービスを受けられる。要介護度が重くなると居住が難しくなることも。社会福祉法人などが運営。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約15万6千円①〜約16万4千円⑤

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
1500万円〜 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の場合

特徴・メリット&デメリット

有料老人ホームと比べ、貯蓄が少なくても入りやすい。安否確認と生活相談のサービスが最低限つく。住宅型と介護型があり、住宅型は自立の人が入り、介護が必要な際に外部サービスを使う。数十万円の敷金・礼金が必要な施設も。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約18万7千円①〜約20万6千円⑤ 
敷金など30万円

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
1500万円〜 認知症グループホームの場合

特徴・メリット&デメリット

認知症の高齢者が少人数で協同生活する施設。認知症ケアの専門スタッフらが支えるが、ある程度自立した生活を送れることが必要で、周辺症状が現れると退所を促されることも。入居一時金がかかる。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約19万5千円①〜約19万8千円⑤ 
入居一時金100万円

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
2000万円〜 介護付き有料老人ホームの場合

特徴・メリット&デメリット

住まいや食事に加え、ホーム職員による介護サービスを24時間受けられる。数百万円程度の一時金が必要な施設が多い。介護の不要な自立の人向けの住宅型もあり、必要な際に外部の介護サービスを利用。民間企業も数多く参入。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…約23万7千円①〜約24万6千円⑤ 
入居一時金300万円

 

65歳時点で必要な貯蓄額の目安
5000万円〜 高級有料老人ホームの場合

特徴・メリット&デメリット

豪華な設備、バラエティー豊かな食事、24時間態勢のケアに加え、健康管理やレクリエーションなどのサービスも充実。数千万円の一時金が必要な施設が多く、大都市圏は特に高い。民間企業も数多く参入している。

月額費用の目安(丸数字は要介護度)…30万円前後 
入居一時金2000万円

 

※居住費・食費・光熱費・おむつ代など各施設に必要な使用量や実費をもとに、要介護度に応じた介護費用の自己負担額を加えて産出。在宅は食費などを含めず、介護サービスの自己負担額のみ。
必要な貯蓄額資産の前提A:65〜79歳は自宅で過ごして毎月3万円の貯蓄を取り崩す(15年間で計540万円)。前提B:80歳で施設への移住を判断し、89歳で死去するまでの10年間を過ごす。施設での必要費用と年金月額(12万円)との差額は貯蓄を取り崩す。

AとBの前提で計算した合計が、65歳で必要な貯蓄額の目安。

 

いかがでしたでしょうか。
ぜひ、参考頂ければ幸いです。

(引用元:『週刊朝日』3月2日号より)