地震の怖さというのはその破壊力以上に、いつそれが起きるかわからないというところ。
来てしまったら、そのときはその時。
もちろんそういう覚悟も大事だけれど、やれることがあるならやれるだけのことはやっておこうというスタンスを忘れたくはない。
10月6日号の『週刊現代』では、全国保存版ということで「震度6強で倒壊 あなたの町の危ないビル」という特集記事を掲載。
避けられないものもあるけれど、「できるだけ避ける」努力をしたいあなたにはきっと役立つ情報だと信じてご紹介。
震度6強で倒壊する全国のビル
〜仙台〜
・東北大学病院 外来接続棟B・C(危険性あり)
【概要/今後の対策】
日本の大学病院の中では最も古く、200年を超える歴史を持つ。一日あたりの平均外来数は約3000人。
・緑水亭(旅館)(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
人気観光地に近い老舗旅館。耐震改修が必要な箇所は3つあり、今年度中の着工を目指している。
〜埼玉〜
・蕨市立病院(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
蕨市内最大の総合病院。現在試用している病床の機能をどうしていくかを含めて、工事を検討中。
・丸山記念総合病院(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
安室奈美恵が出産したことで知られる。一部病床の稼働を止め、問題部分の改修を検討している。
・埼玉医科大学病院第一ビル 増築棟(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
除却を決定し、すでに病棟としては使用していない。ほか問題があった一部は耐震補強工事完了。
・大宮区役所(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
大宮駅から徒歩5分の大通り沿いにある。2019年5月に新庁舎に移転することが決定している。
〜横浜〜
・横浜掖済会病院(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
とくに地震のリスクが高いとされる横浜市中区にある。詳細は未定だが、2022年以降に建て替えの方針。
・横浜保土ヶ谷中央病院 本館棟(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
横浜国立大学のそばにある総合病院。改修予定は2019年4月着工、2022年4月完成だが、遅れる見込み。
・昭和大学藤が丘病院B棟(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
東急田園都市線沿いにあり、病床数は584。開設は1975年。耐震改修の方針だが、実施時期などは未定。
・ザコンチネンタル横浜 駐車場棟(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
横浜中華街近く。最上階にチャペルがあり、結婚式場として有名。耐震改修か建て替えを検討中。
・第一権田ビル 商業施設(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
横浜駅西側にある商業施設と賃貸住宅の複合ビル。2019年に解体、2020年に新規ビル建設に着工予定。
・第二権田ビル 商業施設(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
第一権田ビルに並列。テナントにはダイエーが入る。横浜市の再開発に伴い、建て替え計画が進行中。
・イオン天王町店(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
相鉄線・星川駅から徒歩8分。ニチイ天王町店として1977年に開業。改修・建て替えの時期は未定。
・神奈川県庁 本庁舎(危険性あり)
【概要/今後の対策】
知事室などが入る塔屋は登録有形文化財に登録されている。2019年3月までに耐震改修工事を完了予定。
〜千葉〜
・総合病院国保旭中央病院 研修棟(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
千葉県東総エリアの基幹病院。研修棟は患者が利用することはないが、建て替えも含めて検討中。
・医療法人鉄蕉会 亀田総合病院D棟(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
人間ドック、医療ツーリズムの先駆けとして知られる。D棟はオフィス部分で、3年以内をめどに解体。
・ホテル日航成田 本館(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
成田空港そばに位置し、1978年に開業。耐震改修のために協議を重ね、2018年中に着手する予定。
・鴨川シーワールドホテル(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
鴨川シーワールドに隣接しており、家族連れの利用者が多い。耐震改修を検討中だが、時期は未定。
・ホテル南海荘(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
千葉県房総半島の最南端にある野島埼灯台から徒歩5分。鉄骨造部分の老朽化が進んでいる。
・銚子市庁舎(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
利根川の河口部沿い、銚子駅から徒歩3分に立地。移転・分庁化の方向で検討中だが、実施時期は未定。
・袖ヶ浦市庁舎 新館(危険性あり)
【概要/今後の対策】
新館は耐震補強工事、旧館は建て替えの方向で基本設計が終わった段階。2020年度から工事実施予定。
〜名古屋〜
・社会医療法人愛生会 総合上飯田第一病院 北館(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
名古屋市北区にある総合病院で一般病床数は196床。2020年度から建て替えの方向で検討している。
・丸栄百貨店 新館(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
すでに今年6月に閉館し、近日中に解体を始め、2020年までに解体を終える予定で計画を進めている。
・丸栄百貨店 旧館(危険性あり)
【概要/今後の対策】
新館同様、今年6月に閉館。創業400年以上の歴史に幕を下ろした。一帯は商業施設に再開発される。
・ブラザー栄ビル 商業施設(危険性あり)
【概要/今後の対策】
9階建てのテナントビル。建て替えか耐震補強するかを検討中で時期は各テナントとの交渉による。
〜大阪〜
・近畿大学医学部付属病院(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
病床数929を誇る病院。大阪狭山市から堺市への移転が計画されており、現行の建物は除却予定。
・イオン京橋店(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
1971年にダイエー京橋店としてオープン。自治体の判断を仰ぎながら、耐震改修・建て替えを検討。
・イズミヤ上新庄店(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
主に関西で展開するスーパーマーケット。他店舗と協議のうえ、今後3〜5年以内に耐震改修を実施。
・イズミヤ淡路店(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
阪急京都線・淡路駅から徒歩5分。上新庄店と同様、今後3〜5年以内に耐震改修を実施予定。
〜神戸〜
・神戸ポートタワーホテル(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
神戸市の中心街にあり阪神高速に隣接するビジネスホテル。2019年4月から耐震改修工事を予定。
・有馬グランドホテル光雲棟・山楽棟(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
総客室数238室の老舗宿泊施設。老朽化した東館は、今年5月から1年間の予定で工事している。
・古泉閣 旅館(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
有馬温泉や懐石料理などを堪能できる、神戸有数の高級旅館。創業は1956年で、建て替え時期を検討中。
・兵庫県庁舎(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
神戸市中央区・下山手通の山手幹線沿いに立つ。1966年に竣工した1号館について整備方針を調整中。
・生田警察署(危険性あり)
【概要/今後の対策】
かつて2度の襲撃事件が発生したことで知られる。予算措置が確定しておらず、建て替え時期は未定。
〜福岡〜
・福岡大学病院 本館(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
県下有数の医療施設で、約2000人のスタッフを抱える。本館部分は1973年建設で老朽化が進んでいる。
・福岡歯科大学医科歯科総合病院(危険性あり)
【概要/今後の対策】
1973年開設。すでに研究棟は耐震改修済み。2020年までに病院部分全館の新築建て替えを予定している。
・中洲セントラル第5ラインビル 商業施設(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
中洲の中心部に位置するビル。キャバクラなど様々なテナントが入っており、直近での着工は困難。
・ホテルサンライン福岡博多駅前(倒壊の危険性高)
【概要/今後の対策】
博多駅から徒歩5分、東住吉通り沿いにあるホテル。耐震改修を検討しているが、時期は未定。
※注釈:各都道府県、自治体が公表した「要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果」にもとづき表を作成した。耐震改修等の予定については建物の管理者、所有者などに確認し、回答をえられたものについては掲載している。なお、丸栄百貨店については新館・旧館ともに今年6月ですでに閉館しているが、建物は現在も除却されておらず、仮に倒壊すれば周辺に危険を及ぼす可能性があると判断し、掲載した。
(引用元:週刊現代 2018年10月6日号)
歴史があると讃えられるのは平常時のみ。
実際に大地震がきたら、それこそ歴史的な建造物は命とりになってしまう。
震度6強という数字が先日の北海道の震度7によって更に現実味を帯びてきている今、やれることはやっておきましょう。
倒壊する建物を頭に入れておくことは、その「やれること」の一つです。