絶対王者という言葉が大げさじゃない選手というものがいるんですね。
羽生結弦選手。
フィギュアスケートをやるために産まれてきたようなこの名前。本当に「名は体を表す」とはこのことです。
昨年11月に怪我をしたときは、3ヶ月後にやってくる平昌五輪は絶望的だなというムードがありました。
でも、そこからの復活もまた超人的だったことは、現在の復活したジャンプが物語っています。
アスリートというよりアーティストと呼びたい
男子フィギュアはスポーツですが、記録を競い合うという以上に、やはり記憶に残る演技というものが評価されていいですね。
そこも含め、やはり「絶対王者」と呼ぶに羽生選手は実にふさわしい。
なにせ、背景にドラマがある。
東日本大震災で被災、その後も度重なる怪我で何度も挫折する場面に遭遇していながら、完全に復活するばかりか、その時の自分を越えてくる。
そして期待以上の結果を出し、そこに甘んじることなく挑戦をし続ける。
ライバルは自分。
超えるは自分の記録。
スケーティングの上手さは勿論のこと、表現力の豊かさと恵まれた容姿がさらにその質を高めて芸術的な高みにもっていく。
総合的にこれほど恵まれた選手というのは過去にもいないし、これからもまず出ないのじゃないかと思えてしまう魅力。
稀有な存在ですね。
宇野昌磨選手の急成長も特筆すべきことですが、やはりその宇野選手も憧れ目指している羽生選手にとって、今年の平昌五輪はまさに勝負のとき。
連覇を果たして伝説になる最初で最後のチャンスといってもいい。
昨年12月に23歳になり、次のオリンピックのときには27歳。
なにより、連覇という「一点」に絞れば今回の金メダルは絶対に逃せないもの。
もちろん、彼ほどの選手なら4年後にも金メダルを獲得できることはできるかもしれないけれど、「連覇」にこだわるのだとしたら今回の五輪が最後のチャンスになるでしょう。
ネイサン・チェンも素晴らしいしフェルナンデスも脅威だけれど、やはりあの完璧な演技とカリスマ性、人を惹きつけるオーラすべてを総合して、よほどのアクシデントが無い限り、
今回の金メダルは羽生結弦選手が獲得!ということで間違いないのじゃないでしょうか。
願いも込めてそう敢えて言い切ってみたいと思います。
銀メダルは宇野昌磨選手。
銅メダルはフェルナンデスかネイサン・チェン。
66年ぶりの快挙!という文字が是非見たい!
未だ金メダルがひとつもない日本。
もしかしたら、羽生結弦選手に最初の金メダルを獲得させるためにこれまで金メダルがなかったのかという気がしてきます。
羽生結弦選手の重圧、重責は凄まじいものがあると思いますが、インタビューを聞いているとメダルへのプレッシャーというよりは「滑ることのできる喜び」、そして自分を支えてくれている多くのファンに恩返しをしたいという気持ちのほうが強く伝わってくるので、きっと彼はまた何かとてつもないことを成し遂げてくれるはず。
フィギュアスケートをこんなに楽しめるようになったことに心から感謝。
ストイックでナルシストと言われる羽生選手ですが、この高みにくる人にとってはどちらも欠かせないものかもしれない。
とにかく、一番高い台に上がって欲しい。
世界最高得点を打ち出し、66年ぶりの連覇、快挙に湧く日本を感じたい。
羽生選手、宇野選手、忘れそうになりましたが田中選手も頑張れ!!