お通じがいいから腸は大丈夫と思っていませんか。
疲れが取れない、肌荒れが治りにくいといった不調は、実は腸の老化が原因かもしれないんですって。
腸は消化や栄養吸収のためだけの器官ではなく、実は免疫や脳の機能、自律神経の働きにも深く関わる器官なのですね。
自律神経と腸との関係に注目している順天堂大学の小林教授によれば、自律神経は体を興奮・緊張させる交感神経と、リラックスさせる副交感神経のバランスで血流や代謝、呼吸、体温調節などをコントロールするのですが、腸が老化すると、この切り替えスイッチが入りにくくなるのだといいます。
組織の修復は副交感神経が優位なときに行われるのですが、自律神経の切り替えがうまくいかないと修復が遅れ、老化や肌荒れや肥満などを招く原因になってしまうのだそう。
食習慣を見直すことによって腸年齢を若々しく保つことは可能なので、あきらめないで!
腸年齢をチェックしよう!
チェックの数が多いほど腸年齢が高く、全身の老化も進みやすいということになります。
あてはまる項目は積極的に改善していきましょう!
□ 野菜やきのこ、海藻類をあまり食べない
□ 1日に発酵食品をとらないことがある
□ 冷たい飲み物をよく飲む
□ 早食いである
□ 1日の飲み物量が1リットル以下である
□ よく便秘や下痢をする
□ 便やおならが臭い
□ お腹を押すと硬いところがある
□ 運動時間が週に180分以下
□ 眠りが浅い
□ 自宅以外では排便できない
□ リラックスできる時間が少ない
□ よく肌が荒れる
□ 疲れやすい
□ 太りやすい
いかがでしたか。
心当たりがいくつもあったのじゃないでしょうか。
腸の働きが悪くなる
⬇︎
- 腸内細菌叢が悪化
- 代謝機能が低下
- 自律神経のバランスが乱れる
⬇︎
- 免疫力の低下
- 肌荒れ
- 便秘
- 肥満
- 疲労の蓄積
- うつ傾向
腸が老化すると消化吸収の低下や便秘など腸そのものの機能が低下するだけでなく、免疫機能や新陳代謝、メンタルなど全身に影響が及ぶこともあります。
では、腸年齢を若く保つには一体どうすればいいのでしょうか。
腸の機能を高める発酵食品は
自己流アレンジで効果アップ!
ヨーグルトや納豆といった発酵食品を摂取し、腸の中で善玉菌が増えやすく、悪玉菌が住みにくい環境にする。その際、イヤイヤ頑張って食べるのでは逆効果になるので、美味しく楽しく食べる工夫をする。
腸の動きをサポートする
食物繊維は毎日しっかりとる!
食物繊維をしっかり摂る。腸の動きを刺激して腸内をキレイにしたり、便のカサを増す不溶性食物繊維はキノコや豆などに多く、腸内細菌のエサにもなる水溶性食物繊維は大麦や海藻、ゴボウなどに多いので、両方バランスよく摂取するよう心がける。
特別な運動はいらない!
散歩をしたり階段を使うだけでいい
「やらなければならない」はストレスになるため逆効果。特別なエクササイズじゃなく、駅まで早足で歩くや、できるだけ階段を利用する、といった程度でOK。体をひねるといったストレッチは腸を動かすスイッチにもなる。
神経活動が腸を動かす
睡眠の質を重視しよう!
おすすめは40℃前後のぬるめの風呂にゆっくり浸かり、深部体温をあげること。その後、体温が下がる過程で副交感神経のスイッチが入りやすくなるだけでなく、眠りに入りやすくなり、組織の修復などもすすむ。
腸の炎症の原因となる
アルコールや脂質の取り過ぎに注意!
血流を悪くする喫煙は腸の老化を進める。アルコールや刺激物の取りすぎも控えること。消化に時間のかかる肉類や揚げ物など脂質の多いものもよくないけれども、ストイックになりすぎることなく食事を楽しむことも大事。
なんだか特別なことは何もないですね。
ストレスを溜めず、小さなストレッチを適度に行って、刺激物を少なく、アルコールもたしなみ程度、バランスのいい食生活を心がける。
いろいろなところで学習したことの集大成のような内容でもあります。
こういう当たり前のことこそ、じつは継続が難しいということでしょうか。
ちょっとした不調が気になる方は、当たり前のことを愚直にやってみてはいかがでしょうか。
きっと何かが変わるはず。
(参考元:日経ヘルス 11月号)