きのこ好きですか。
天候不順で葉物野菜が高騰しても、比較的価格が安定しているきのこ。
本当に大好きです。
2015年の厚生労働省の調べによれば死亡率が47都道府県中もっとも低かったのが長野県ということでした。また、ガンによる死亡率が低いことでも有名ですね。
きのこと長野県と何が関係あるのかといえば、大ありなんです。
1998年〜2002年にかかて国立がん研究センターと長野県内の病院がきのことガン死亡率との関連を調査したところ、「きのこをほとんど食べない人」にくらべ「きのこを週3回以上食べている人」の胃がんや大腸がんリスクが低かったというのです。
きのこの効能を知って
大いに活用しよう!
きのこは、ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含む食材です。
腸の働きも活発化して便通もよくしてくれる、不溶性食物繊維も多く含まれているだけでも有難いのに低カロリーということで、まさに食べたいけど痩せたい、という女性にも大変嬉しい食材なんです。
それぞれの効能を
簡単にご紹介!!
まいたけ(最旬時期9〜10月)→ビタミンD1位、骨を丈夫に
えのきだけ(最旬時期9〜11月)→疲労回復にも強い万能選手
しいたけ→(最旬時期3〜5月、9〜11月)腸内環境を整え・食物繊維豊富
マッシュルーム→(最旬時期10〜12月)豊富なビタミンB2で老化防止
ぶなしめじ→(最旬時期9〜11月)オルニチンが美肌を作る
まつたけ→(最旬時期9〜10月)鉄分・カリウムが貧血・高血圧を防ぐ
エリンギ→(最旬時期10〜12月)風邪免疫機能を高め風邪予防に
なめこ→(最旬時期9〜11月)特有のぬめりが胃腸を保護
もっと詳しく
知りたい方はこちらをどうぞ
まいたけ
この名前の由来は”見つけた者が舞い上がって喜ぶから”という説があります。近年は人工栽培が可能になり一年を通して食べられるようになりましたが、かつては自生したものは希少で、幻のきのこといわれていました。
特有の風味、歯ごたえがあり、揚げ物や炒め物にも最適!
カサの部分が肉厚で濃い色の光沢があり、カサにハリがあるものが良いです。
きのこの中ではビタミンD含有量がトップ。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進させ、骨を丈夫にしてくれます。
えのきだけ
天然のものはやや黄色いけれども、人工栽培のものは白く、一年中出回っています。煮るとぬめりが出て、なめことにていることから「なめたけ」とも呼ばれます。
選ぶときは軸がしっかりしたものを選ぶと良いです。8代きのこのうち、ビタミンB1含有量は1位で、疲労回復に役立ちます。また、鉄分やカリウムなど他の栄養価も平均的に高く、使い勝手もよい万能選手的存在。
がん細胞の増殖を防ぐというレンチナン(βグルカンの一種)を多く含んでいます。
しいたけ
しいたけは不溶性食物繊維の含有量はトップクラスで、ビタミンB1,B2も上位を占めます。
かさは6〜8㎝で肉厚のもの、軸は短めで太いものが美味しく、うま味成分(グアニル酸)を含んでおり、加熱すると増加します。
血中コレステロール値を下げる、エリタデニンがふくまれているのも特徴のひとつ。調理をする前にカサを裏にして日光に1時間ほどあてると、ビタミンDが増えるといわれています。
マッシュルーム
カサが丸くて表面が滑らかで肉厚のもの、カサの裏のひだが白いものを選ぶと良いです。
多くのきのこは加熱が必要ですが、マッシュルームは生でも食べられる貴重なきのこ。8大きのこのなかでは、ビタミンB2がトップ、カリウムもランキング上位に。
ビタミンB2は細胞の再生を促進させ、体内で過酸化脂質ができるのを抑えるため、美肌の維持や老化防止などにも役立ちます。
最近では白色のほかに、ブラウンのマッシュルームも人気です。
ぶなしめじ
カサに弾力があり、軸がしっかりしたものを選ぶと良いです。
食感がよく、クセがないのでどんな食材とも合わせやすいです。
栄養はビタミンB1を多く含み、カリウムも上位。何よりオルニチンを豊富に含んでいるのが大きな特徴です。
オルニチンといえばシジミも有名ですが、その数倍というデータも。オルニチンは、シミやシワを解消して肌のハリを保ってオイリー肌や肌の乾燥などのトラブルにも効果を発揮してくれます。
まつたけ
人工栽培ができないため高価です。独特の香りが好まれ、焼く、蒸すなどシンプルな調理がおすすめ(国内産が出回る時期は短く、2ヶ月程度。外国産は4〜5ヶ月あまりが旬)。
まつたけを選ぶ場合は、カサが開いていないもので軸は硬く、弾力があってほどほどの大きいものが良いです。
食物繊維、カリウム、鉄分の含有量はトップクラスで栄養的にはバランスの良いきのこです。アカマツなどの根元に自生しています。
エリンギ
原産はヨーロッパで、日本には90年代に輸入されて人工栽培が始まった比較的新しいきのこです。
冷蔵庫なら5〜7日保存でき、日持ちが良いのも特徴。軸が他のきのこより太く、まつたけに似た歯ごたえがあり、和洋中といったどんな料理にも合います。
選ぶときは軸が白くて硬いものが良いです。
カリウム、食物繊維、ビタミンB1、B2のほか、免疫力を高めるβグルカンも多く含んでいるため風邪の予防などにも期待できます。
なめこ
つるっとした口当たりが身上ですが、傷みやすいので購入後は冷蔵庫に入れて1〜2日で使い切りましょう。
古くなったものはやや色が濃くなり、酸味を帯びてきます。
特有のぬめりはムチン(糖タンパク質の一種)によるもので、タンパク質の消化吸収を助け、粘膜を保護し、胃腸環境を整えます。
ムチンは熱に弱いので、加熱するときは短めに。また美肌効果のあるトレハロースや肌の保湿に役立つコンドロイチンも含んでいます。
次は、知っていると何かといい豆知識をちょこっとご紹介します。
干す・冷凍するでうま味アップ!
美味しくなる保存法
きのこ類は保存に関しては湿気を嫌うので、購入後はパックや袋から出して、新聞紙やキッチンペーパーで包んで、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するのがいいです(石づきなどは取らない方が良い)。
冷凍保存する場合
洗わず、調理しやすい大きさにカットし、密封できるビニール袋に入れて冷凍すると、1〜2ヶ月の長期保存が可能になります。
凍らせることで硬い細胞壁が壊れ、グルタミン酸、アスパラギン酸、グアニル酸などのうま味成分が増すだけでなく、食べる際に栄養を吸収しやすくなります。調理するときは、適量を、解凍せずに使います。
干して乾燥させる場合
きのこを、そのまま、あるいは切ってからざるに並べて天日で干します(秋冬なら2〜3日、春夏なら1〜2日)。
その後はビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します(水分が抜けることでうま味と栄養素が凝縮)。
ちなみに干ししいたけを例にとれば、生椎茸にくらべ、食物繊維やカリウムは約10倍、ビタミンDは約3倍、葉酸は約6倍になります。
ぜひお試しください!
基本洗わない、油少なめ
栄養を逃さない調理方法
水溶性のビタミンがきのこには含まれているため、洗ってしまうと栄養素や風味が損なわれてしまいます。
特に栽培されたきのこは土などの付着物がほとんどないので、基本的には洗う必要はありません。
それでも、おがくずなどが気になる場合などは調理前にキッチンペーパーなどでふき取ったり、さっと水洗いをして使うと良いでしょう。
※ エリンギやまいたけは加熱しないで大量に食べると中毒が起きることがあるといいます。また、しいたけにはホルムアルデヒド、まつたけにはヒスタミンが含まれます。いずれも熱に弱いため加熱すれば問題ないですが、加熱が不十分だと皮膚炎やアレルギーを悪化させることもあるので注意しましょう。
油ですが、きのこは油や水分を吸収しやすいので少なめにするのがコツ。その代わり他の食材から出てくる栄養分やうま味を取り込んでくれます。きのこの香りや食感を残したいなら、調理時間を短くするために最後に加えるのがいいでしょう。
いかがでしたか。
身近なきのことはいえ、知らないことがいっぱいではなかったですか。
栄養がこれだけあって価格も比較的安定して、ほぼ一年中手に入れることができる。そんな食材そうそうないです。ましてやこれが長寿日本一の長野県の人たちがたくさんとっているものなら、見習わない手はないですね。保存方法もわかっていれば少しぐらい多めに買ってもうまく活用できるかも。ぜひ、お試しください!
(参考元:女性自身 10/31号より)