血液型占いが一時期流行ったけれども、血液型と性格が関連しないことは科学的に証明されてしまった。
けれども、そもそも血液型と性格の話で盛り上がっていたのは日本独特のものであり、
「欧米では30〜40年にわたって蓄積された患者の個人データを駆使した最新の研究により、血液型によって病気の発症リスクが異なることが明らかになりつつあります。…後略」
とは、東京大学医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一医師。さらに、
「研究が進められている段階なので断言はできませんが、それぞれの血液型が異なる抗体を持っていることが、病気の発症リスクと関わっているのではないかと考えられています」
と指摘しています。
それぞれの血液型にどんなリスクがあるのか、『週刊ポスト』2018年9月21/28日号より、ご紹介します。
血液型別 かかりやすい病気
ーA型ー
❏ 胃がんリスクが約1.2倍高い
(最も低いO型と比較。10年、スウェーデン・カロリンスカ大)
❏ 唾液腺がんリスクが1.36倍高い
(最も低いO型と比較。16年、スウェーデン・カロリンスカ大)
ーB型ー
❏ 膵臓がんリスクが約1.7倍高い
(最も低いO型と比較。09年、米国立がん研究所)
❏ 糖尿病リスクが1.21倍高い
(最も低いO型と比較。14年、仏・国立保険医学研究所)
❏ 口腔がんリスクが1.49倍高い
(最も低いO型と比較。16年、スウェーデン・カロリンスカ大)
ーAB型ー
❏ 脳卒中リスクが1.83倍高い
(最も低いO型と比較。14年、米・バーモント大)
❏ 血栓症リスクが2.24倍高い
(最も低いO型と比較。16年、スウェーデン・カロリンスカ大)
❏ 冠動脈心疾患リスクが1.23倍高い
(最も低いO型と比較。10年、米・ハーバード大)
❏ 認知障害リスクが1.82倍高い
(最も低いO型と比較。14年、米・バーモンド大)
ーO型ー
❏ 胃潰瘍リスクが1.15倍高い
❏ 十二指腸潰瘍リスクが1.3倍高い
(最も低いA型と比較。17年、医学誌『Journal Epidemiology』)
以上です。
中川医師は最後に、
私は血液型と病気の発症リスクの関係に注目していますが、日々の生活習慣のほうが、はるかに病気のリスクを左右することを忘れてはいけません。血液型による発症リスクを過剰に恐れる必要はありませんが、医学的根拠のある数字として頭に入れておいた上で、日々の生活習慣を改めることが、予防につながります」
と語っています。
最後は「個体差」というのか、個人の不断の努力、向き合う姿勢が肝心であるとも思います。血液型占いは当たらなくとも、血液型から発症しやすい病気リスクを参考にして、日々の生活を見直すというのなら、その効果は大きいかもしれません。
(出典・引用元:『週刊ポスト』2018年9月21日/28日)